四季百景和歌山市

学芸員が教えます 和歌山城天守閣再建60周年 冬号

和歌山城天守

今回は設計のお話ですね!

和歌山城天守閣は、東京工業大学教授の藤岡通夫(みちお)さんが設計しました。藤岡さんは数多くの天守閣設計を手がけているのですが、中でも和歌山城天守閣は、藤岡さんにとって初めての仕事であり、一番難しい仕事だったと後に回想されています。

それはどの辺りの事ですか?

木造で設計図を書いた後に、鉄筋コンクリート造に置き換えるという非常に手間のかかる方法で設計した事です。いきなり鉄筋コンクリート造を想定した設計図を書くと、木造ではありえない構造になる恐れがあったためです。
また元の天守閣自体、複雑な構造で、それを忠実に復元する必要がありました。例えば、大天守は、天守台(天守閣の立つ石垣)が歪んでいたため、1階は方形ではなく菱形になっています。その上に方形の2階がのっているので、北面・南面の1階壁面と2階壁面は平行になっていません。

模型

天守前広場から見上げてもわかりませんね。

外からだと「岡山の時鐘堂」に登った辺りから見ると、その様子がわかります。大天守南面1階の軒先と2階壁面は、平行ではないのです。

天守閣内に展示されている模型を見てもわかりますね!

このように正確に設計した藤岡さんですが、実は現場での行き違いで1ヶ所思い通りに作られていない部分があります。それが小天守の屋根です。元々、藤岡さんは小天守の屋根の勾配を緩やかな設計にしたかったようです。大天守3階の屋根を急な勾配にして、そこから下に降りて行くに従って緩やかな勾配にしたかったようなんですが…。

天守閣

よく観察すると、同じように見えるような…。

藤岡さんも実際の天守閣を見た時に、同じ勾配に見えたそうです。設計図に間違った数値を書き込んでいたようで、後々まで後悔していたみたいですね。

教える人・教わる人

和歌山城information

和歌山城天守閣前『お手守茶屋』でちょっといっぷく

和歌山城天守閣前の土産物施設『お天守茶屋(おてんすちゃや)』では、和装でスタッフがお出迎え。和歌山城にまつわる土産物を中心に、和歌山県各地の物産品を買うことができます。イートインコーナーでは、熊野牛を使った紀州出世うどん(税込1000円)や、うめどり、梅干しなどが入った紀州梅うどん(税込700円)といった、地元食材を使った麺類が楽しめます。

場所 お天守茶屋 和歌山市一番丁3
問い合せ 073-488-7640
時間 9:00〜17:30 ※麺類の提供は10:00〜16:00
休日 無休